自分で自分を見つめ直す方法――「採点法」
「なんとなく自分の作品は面白くない……。でもどこを直せばいいか分からない」
「やった作品を書き終えた! ……でも推敲ってどうやってやればいいんだろう」
こんな方々のために、自分で自分の作品を見つめ直す方法。「採点法」を提案します。
採点法のやり方
- 自分の作品を読みます。
- それに対して100点満点で点数を付けます。
- 減点した理由3~4つ列挙します。沢山あったとしても、3つから4つ位にしぼります。少なかったとしても3~4つ無理やり絞り出します。
- 挙げた減点項目に対し、それぞれ何点ずつ減点したかを決めます。
下の図のような感じになります。
採点法の前提
採点法は、「世の中に正しい文章の書き方なんてない」という考えからスタートしています。もちろん「正しい文法」は存在するのでしょうが、時に誤った文法で書かれた文章が魅力的だったりします。
論文を書く時の文章と、小説を書く時の文章は違います。ブログを書く時の文章とネットニュースの書き方も違います。
採点法によってあなたが自分で採点した得点は、客観的にみていいか悪いかというよりも、あなたの理想からどれくらいかけ離れているかを示すものです。
採点法の効果と意味
前述の通り採点法は「自分の理想の文章と、現在の自分の文章がどれくらいかけ離れているか」を可視化する方法です。
採点法で自分の作品を採点することで、自分がどんな作品を書きたいか、どんな傾向が好きなのかがハッキリしてきます。
上の採点例で言うと、
- 「文章が分かり辛い」
- 「キャラが可愛くない」
- 「心理描写が下手」
- 「誤字脱字が多い」
が減点項目なので、
この人は「分かりやすい文章で」「キャラが可愛い」「巧みな心理描写の」作品が書きたいと言うことになります(「誤字脱字」に関しては、まぁ……)。
逆に、現在この人が得意としているのは「難解な文章」「可愛くないキャラ」「たどたどしい心理描写」「目を見張る誤字脱字の量」ということになるでしょう。
もしこんな作品を好む読者がいたとすれば、その減点項目たちは一転武器になる可能性がありますね。
実際に推敲してみる
さて、減点した項目があなたの理想像でした。
その項目の中で、改めて一番大切なものを一つ挙げてみてください。
必ずしも、減点が高い物を選ぶ必要はありません。
大切なものを決めたら、それを基準に自分の作品を見つめ返します。
もし「キャラの可愛さ」が一番大切な項目だとしたら、作品全体に「キャラの可愛さ」をひきたてる要素があるのかどうかを見てみましょう。
「キャラの可愛さ」が大切だというのに、作品のテーマが「血で血を洗うようなハードボイルドな戦争もので一部の緩みもない」だったとしたら、ミスマッチもいい所です。
「キャラの可愛さ」を最大限に引き出すためには、
- 視点は一人称が良いのか三人称が良いのか
- 全体の構成はどうか
- キャラをきちんと作り込んでいるか
etc
こうやって視点を決めてやることで、推敲は格段にやりやすくなります。
「なんとなく自分の作品に満足いっていないから、とりあえず推敲しなきゃ」となると、ただの誤字の修正になったり、思い切って改稿することができなかったりしてしまいます。
まとめ
●まず自分の作品を採点してみよう
●減点項目が、あなたの理想までの道のりであだよ。
●推敲する時は、その減点項目の中でも一番大切なものを基準にするよ。
⇒この手順を踏むことで、推敲作業が具体的になり捗ると思うよ。
それでは良い執筆ライフを。